政府は、今月中にまとめる緊急経済対策で、2022年度から新たに住民税が非課税となった世帯に現金10万円を支給する方針を固めた。コロナ禍の長期化や物価高騰で深刻な影響を受ける生活困窮者世帯の支援を強化する。自民、公明両党の協議を経て、来週にも決定する。
政府は昨年12月に成立した21年度補正予算で、21年度時点の非課税世帯に10万円を給付する措置を決定し、今春から支給が本格的に始まっている。今回の支援策は、22年度から新たに非課税となった世帯に限り、21年度時点の世帯は対象外となる。
ロシアのウクライナ侵攻や円安などでガソリンなどの価格が上がっており、困窮者世帯への支援継続が必要と判断した。
市町村が課税情報を使って非課税世帯に制度を郵送で通知し、振込先の口座番号などを返送してもらう。「プッシュ型」の給付で、制度を知らないまま支援を受けられない人が出るのを防ぐ。21年度補正予算や予備費で確保している1・5兆円を財源として充てる。
また、政府は、低所得の子育て世帯の支援を行う方針を固めた。住民税非課税世帯などが対象で、子ども1人あたり5万円を支給する方針だ。低所得の子育て世帯には、20、21年度にも給付金を支給した。22年度の予備費約2000億円を支出する方向だ。
政府はこのほか、自治体が地域の事情に合わせて、独自に困窮者向けに支援金を上乗せして給付する案も検討している。