一つの傘に身を寄せ合って、春雨を乗り切りましょう。北九州がんばれ! 日本がんばれ!――。こんなメッセージが添えられたマスク20万枚が北九州市に届いた。送り主は友好都市の中国・大連市。2月初めに北九州市が大連市に送った260枚が、「769倍」になって戻ってきた。
北九州市は新型コロナウイルスの感染が中国各地に広がっていた2月5日、大連市にマスク260枚と防護服70セットを送った。当時、北九州市はマスクを約20万枚備蓄していたが、将来の感染拡大に備えて備蓄分には手を付けず、市場に出回るマスクを買い集めた。やっとそろえられたのが260枚だったという。マスクには「大連加油(大連がんばれ)」というメッセージを添え、運休直前の大連直行便で北九州空港から発送した。
その後、3月に入ると、北九州市でも感染者が発生。市は4日、民間の医療機関や高齢者・障害者の施設などに、備蓄分の8割にあたるマスク16万枚を配ることを決めた。
マスク不足が心配されることになった北九州市は、安価に入手できるルートを確保しようと努めたが、難航。そんな中、大連市から8日に「状況が落ち着いてきたので支援したい」との申し出があった。北九州市がお願いすると、20万枚が無償で提供されることになったという。