仕切り撤去、「やっと」 飲食店や観光地、高まる期待 コロナ対策区切り

国内で3年余り続いた新型コロナウイルス対策が8日、大きな節目を迎えた。  感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、飲食店では仕切りのアクリル板を撤去する動きが相次いだ。観光地などからは期待の声が上がる一方、「遅かった」との不満も出た。 【図解】新型コロナウイルス「2類相当」と「5類」の違い  近畿大東大阪キャンパス(大阪府東大阪市)では、同日までに食堂のテーブルにあった仕切りのほか、校門に置かれた検温や消毒の設備が撤去された。仕切りは全て処分する予定で、食堂では昼食時、学生らが談笑する姿が見られた。  4年の女子学生(21)は「入学当時からパーティションがあるのが当たり前だった」と振り返り、対応を評価。男子学生(21)も「コミュニケーションが取りやすい」と歓迎しつつ、「やっとかという感じ。遅かった」と不満も口にした。  同大総務部主任でコロナ対策に携わる国見憲吾さん(36)は「大型連休の後は感染者が増えるタイミングなので少し不安だが、徐々にコロナ前に戻していきたい」と力を込めた。  東京都中央区の居酒屋「たいこ茶屋」もこの日から客席の仕切りを撤去した。ランチに訪れた男性会社員(28)は「不安は残るが、ワクチンを接種しているし、もういいのでは」。別の男性会社員(54)は「マスクはまだ外せない。5類移行でいろいろな所に行けるようになるのが逆に怖い」と話した。  同店は従業員のマスク着用も個人の判断に委ねる方針で、店長の嵯峨完さん(74)は「客と会話するときなど状況を見て対応したい」と語った。  新橋の居酒屋「根室食堂」では8日夜、仕切りのなくなったテーブルで直接グラスを合わせ乾杯する音が響いた。仕事終わりに同僚らと来店した会社員飯田真也さん(45)は「気にせずに飲めるのは解放感があってうれしい」と笑顔で語った。  那覇市の国際通りではマスクをしない観光客が目立ったが、飲食店や土産物店の店員の多くはマスク姿で接客していた。堺市の大学生柳健大さん(21)は5類移行に賛成の立場で、「マスクは子どもに悪影響があったと聞く。必要な人が感染対策をするのが理想的ではないか」と話した。韓国・ソウルから訪れた会社員尹庸旻さん(29)は「海外と行き来しやすくなり、旅行中も快適に過ごせる」と喜んでいた。

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