トマトソースの乗ったピザやフライドポテトなどのジャンクフードをヘルシーな野菜と考え、他にこれといって野菜を食べなくでも大丈夫と考えるアメリカ人が多いというのは、嘘のような本当の話。
先日、そんなジャンク大好きなアメリカ人が仰天するニュースが飛び込んできました。
ハーバード大学の有名教授が唱える、健康のためには「フライドポテトは1食につき6本が上限」説。全米がパニックに陥っています。
◆ジャガイモは“デンプン爆弾”、フライドポテトは“食の破壊兵器”
アメリカのレストランでハンバーガーやサンドイッチを頼むと、必ずと言っていいほど付いてくるフライドポテト。
何もかもがスーパーサイズのアメリカですから、付け合せのフライドポテトもメインに負けないくらいの大盛りが標準装備。お酒好きならビールのお供に、チーズやチリビーンズなどこってりソースがたっぷりかかったポテトを注文するのが定番です。
ところが、栄養学の権威でハーバード大学教授のエリック・リム氏によると、一回の食事で食べるフライドポテトは「6本が適量」なのだとか。
教授に言わせれば、栄養価が他の野菜に比べて低いジャガイモは「デンプン爆弾」。
『ザ・ニューヨークタイムス The New York Times』の取材に対し、「かろうじて栄養を含んだ皮を取り去った上、油で揚げ、塩やチーズ、チリビーンズなど塩分とカロリーの高いソースをかければ、それは”デンプン爆弾”から“食の破壊兵器”に姿を変えてしまいます」とコメント。
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付け合せには「サラダと6本のフライドポテトが理想です」としています。
◆アメリカ人にとって「ポテト6本は一口分」?
しかし、アメリカ人たちのフライドポテトにかける思いは相当なもの。今夏には、ポテトの切り方を変えただけでニュースになった店もあったと『トゥデイ Today』オンライン版が書いています。
記事によると、メイン州にあるホットドック店が付け合せのポテトを長年出していた波状カットの“クリンクルカット”からごく普通の“ストレートカット”に変更したところ、常連客から苦情が殺到。店主のもとには、命の危険を感じさせる脅迫状も届いたそう。
今回のニュースに対しても怒り悲しむ人たちが多数。
ツイートの多くが、「フライドポテトを6本だけ食べるなんて、どこの変人?」「余計なお世話だ!」「6本は拷問」「他の大学にセカンドオピニオン聞きに行かなきゃ」「彼の言うことはたぶん正しい。従うつもりはサラサラないけどな」と、教授の意見に異議申し立てをするもの。
また、興味深いのは「6本なんて俺にとっちゃ一口分だけどな」という意見が多かったこと。確かに、フライドポテトやチップス、ピーナツ小さめのスナックを大きな手でガッツリつかみ、いっぺんに口に運ぶアメリカ人(ほぼ男性)は少なくないのです。
「6本じゃなくて6皿のことだろ?」「60本なら実践できるかも!」。そんな単位をごまかすツイートが多いのも、ビックサイズに慣れたアメリカならでは。
どうやら、リム教授の提案を真に受ける人はこの国にはいないようです。
「The New York Times」https://www.nytimes.com/2018/11/29/health/french-fries-nutrition.html
「Today」https://www.today.com/food/harvard-professor-recommends-portion-6-fries-sparks-outrage-t144304