仙台市を拠点とした特殊詐欺グループでうそのメッセージを送る「打ち子」らが逮捕された事件で、グループが出会い系サイトを介した特殊詐欺で、1カ月当たり1億9000万円の「売上目標」を設定していたことが7日、宮城県警への取材で分かった。
県警によると、拠点は市内のビルとマンションの2カ所で確認されており、出会い系サイト担当と高額当選金受け取りサイト担当に分かれていた。押収した帳簿には、出会い系拠点で3~6月に約4億4000万円、高額当選金拠点で4~6月に約2000万円をだまし取ったとの記録が残っていた。
両拠点に出入りしていたメンバーは40人前後とみられる。打ち子は一般求人誌を通して集められ、朝夜2交代の24時間体制でメッセージをやりとりし、被害者に金銭を要求するなどの役割を担っていた。
出会い系拠点が入っていたビルのフロアの賃貸契約は、逮捕されたアルバイトの男を代表取締役とした架空のゲーム制作会社名義で結んでいたという。
県警は7日、押収したパソコンやスマートフォンなど約110点を報道陣に公開した。拠点で使われていたとみられるスマートフォンの裏面に複数の銀行、企業の名称が記されたシールを貼付。金融機関からの問い合わせに備えて対策を講じていたとみられる。
県警は同日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、リーダーとみられる無職大橋和之容疑者(35)=青葉区木町通2丁目=らを送検した。被害者が全国で3700人以上、被害総額が70億円を超えるとみて全容解明を進める。