仙台づけ丼の提供、宮城で広がる 半年で30→124店

 仙台発の新名物として2009年にデビューした漬け丼「仙台づけ丼」の提供店が宮城県内全域に広がり、この半年で約30店から124店に急増した。同県寿司(すし)商生活衛生同業組合は参加店を紹介するリーフレットや、のぼりを新たに作り、PRに懸命だ。関係者は「オール宮城の魅力を県外に発信し、東日本大震災の被災地の漁業やすし店の応援につなげたい」と話す。
 仙台づけ丼は仙台寿司業組合などが開発し、09年7月に仙台市内の12店で提供を始めた。三陸産の新鮮な白身魚の刺し身を、しょうゆ、みりん、酒を調合したたれに漬けて、県産米の酢飯に載せる。店によって素材や味付けが異なり、さまざまなタイプの丼が楽しめるのが特徴だ。
 提供店が一気に増えたきっかけは、県寿司商生活衛生同業組合が昨年10月からことし3月まで県内各地で開いたすし店対象の講習会。手持ちの素材で自由に創作できることが分かり、受講した店の参加が相次いだ。
 新たなリーフレットには、124店の住所や電話番号、営業時間、定休日などを掲載した。1万部作製し、県内の宿泊施設や観光案内所などに置く。のぼりも一新し、「気仙沼版」「塩釜版」「石巻版」など仙台以外の県内11地域の名前を入れたバージョンも作った。仙台名物という印象が強かったため、各地の地域色を打ち出した。
 同組合の深瀬和夫理事長(66)は「震災復興への願いを丼に込めた。地場の食材をふんだんに使った多彩な味を食べ比べてほしい」と話す。
 連絡先は同組合022(265)3814。

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