仙台市宮城野区の福田町南1丁目公園仮設住宅の共有スペース「みんなの家」が25日完成し、関係者向けの内覧会が開かれた。26日には住民も参加して落成式を行う。
建物は熊本県産スギなどを使った切り妻の木造平屋約40平方メートルで、せんだいメディアテーク(青葉区)を手掛けた建築家伊東豊雄さんが設計。縁側を兼ねた渡り廊下で仮設住宅の集会場と行き来できる。まきストーブが置ける土間付きで、畳敷きの小上がりも設けた。
伊東さんがコミッショナーを務める熊本県の建設・文化事業「くまもとアートポリス」の一環で建設。伊東さんは「住民や熊本の方々の協力で良いものができた」と満足そうに話した。
仮設住宅に住む無職瀬戸昭三さん(66)は「花壇の設置や内装に住民の意見を採り入れてくれた。素晴らしい建物を提供してもらった」と喜んでいた。
内覧会に合わせ、宮城野区のサンフェスタでは伊東さんら建築家5人でつくる「帰心の会」によるトークセッションも開かれた。伊東さんは約220人の参加者を前に「現代建築を手掛けてきたので、切り妻の家作りには悩んだ。縁側などを望む住民の声を直接聞き、みんなで造ろうという気持ちになれた」と打ち明けた。