仙台圏の企業経営者らでつくる「仙台成長会議」を母体に、都市間競争に勝つための政策提言と社会実装を目指すシンクタンク「仙台地域戦略推進協議会」(SDC)が近く発足する。2月8日に仙台市である成長会議の会合が事実上のキックオフイベントになる。
モデルは福岡
SDCは若手経営者ら約15人が中心となり、新年度から実質的な活動を始める。複数の作業部会を設け、仙台で4~6月に開催される全国都市緑化フェアに絡めて「杜の都」の都市ブランド戦略を提案したり、東北学院大の学生と協働して新たな土産物の開発に取り組んだりする計画。
SDCが手本とするのは、福岡都市圏の振興を目的に2011年に設立された産学官民連携組織「福岡地域戦略推進協議会」(FDC)。国家戦略特区を福岡市と共同提案して新規ビジネスの創出につなげるなど、官民の結節点として福岡の経済成長をけん引する。
実績積み上げ
福岡市を都市間競争のライバルと位置付ける仙台成長会議は21年の結成以降、FDC関係者を招いた勉強会を開くなどしてきた。会議メンバーはFDCについて「福岡経済圏の意思決定という、福岡県だけでも福岡市だけでもできない役割を担っている」と評価する。
FDCは現在、会長に九州経済連合会名誉会長、副会長に九州大総長と福岡市長が就くなど、産学官民が全面的に参画する。SDCが同様の体制を組めるようになるには地域の幅広い理解を要するため、まずは作業部会の活動を通じて実績を積み上げる考えだ。
2月8日キックオフ
仙台成長会議の守井嘉朗代表(ビック・ママ社長)は「FDCもさまざまな困難を乗り越えながらここまで来たと聞いている。SDCは福岡の成功例をまねしながら、仙台を少しでも良くするために具体的に取り組んでいきたい」と話す。
SDC発足を発表する仙台成長会議の会合は2月8日午後6時半から、仙台市青葉区のエル・パーク仙台である。FDCの石丸修平事務局長らがパネル討論を行う。参加費は一般3300円、学生1100円。参加希望者はチケットサービス「Peatix(ピーティックス)」から事前に申し込む。