宮城労働局は6日、衣類修繕の店舗を全国で展開する「ビック・ママ」(仙台市)が、新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金を不正に受給したと発表した。不正受給額は計3億6708万円に上り、コロナ対策の助成金としては宮城県内で過去最高額となった。
労働局によると、ビック・ママは2020年4月~22年6月にかけ、従業員の労働時間に関する虚偽の申請書を作成し、助成金を不正に受け取った。労働局は助成金の返還を命じたが、6日時点で返還されていない。刑事告訴も含め宮城県警若林署に相談する予定。
ビック・ママの守井嘉朗社長(55)は河北新報の取材に「担当者による申請ミスはあったが、助成金は全額、従業員の給与に充てている。不服な点はあるが、全額返済する」と話した。
ビック・ママは、衣服や靴などの修復を手がける店舗を、海外を含めた商業施設などに約60店展開する。
労働局は同日、宮城県美里町のエステ業anela(アネラ)が21年3月~22年3月、緊急雇用安定助成金379万円を不正受給したことも公表した。