仙台の救急出動右肩上がり 6年連続最多更新、高齢化の影響大きく

仙台市の今年の救急車出動件数(速報値)が18日、昨年1年間の5万2538件を上回り、過去最多となった。12月末時点では5万4500件前後に達するとみられる。高齢化の進展で出動件数は右肩上がりで推移していて、6年連続で過去最多を更新している。
 市消防局によると、18日午前8時半ごろに昨年を上回り、午後5時には5万2626件となった。17日までの前年同期比は2149件増。東日本大震災以降、1年間で2722件増えた前年に次ぐペースで伸びている。
 月別では熱中症患者が急増した8月の5220件が最多で、インフルエンザが猛威を振るった1月の4928件と続いた。出動理由の内訳(11月末時点)は急病66.4%、転倒などによる一般負傷12.2%、転院搬送10.6%などだった。
 市内の救急車出動は増加の一途をたどる。推移はグラフの通りで、2001年に3万件を超え、10年に4万件台に突入。震災翌年の12年にいったん減少したものの再び増加に転じ、18年に5万件を突破した。
 高齢化の影響が大きく、搬送者に占める高齢者の割合は、01年の35.3%から18年は54.0%に達した。全国の政令市で最も割合が高い転院搬送、不要不急の119番なども件数を押し上げているという。
 市消防局は来年4月、JR仙台駅北側に「中心部救急出張所(仮称)」を開設し、救急隊を1隊増やす。
 阿部和彦救急担当部長は「高齢化に伴い、今後しばらくは出動件数の増加が続く見通し。救急車の適正利用の啓発や搬送の効率化に取り組み、安心安全に影響ないようにする」と話す。

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