仙台市は6日、東北で初めて新型コロナウイルス感染が確認された市在住の70代男性の積極的疫学調査の結果を公表し、新たに家族1人の濃厚接触が判明したと明らかにした。既に判明した家族1人は男性の妻で、濃厚接触者は2人となった。男性と妻はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客。市は下船後の男性の行動歴を把握したとし「これ以上の濃厚接触者はいない」と説明した。
市によると、新たな濃厚接触者は男性の子で、性別や年齢、同居の有無はプライバシー保護を理由に非公表とした。男性が発症した2月26日以降、国が定める長時間の接触などの行為があったことが確認された。
妻と子の2人は、男性と最後に接触した翌日の同29日以降、市が健康観察を続けており、体調に変化はないという。妻は男性と同時にウイルス検査を実施し、陰性と確認された。子の検査も進めている。
男性が20日に下船し、28日に市内の指定医療機関に入院するまでの詳しい行動歴も明らかになった。
男性と妻は20日、在来線と東北新幹線を乗り継ぎ仙台駅に到着後、市地下鉄を最寄り駅まで利用し、駅から徒歩で帰宅した。移動中はマスクを常に着け、列車内で2メートル以内の距離で会話したのは妻だけだった。
帰宅後から23日までは食料品の買い物、新型肺炎とは関係ない理由での医療機関受診のため、自家用車と徒歩で計3回外出したが、人との接触は極力避けてマスクも着用した。24日以降は外出していなかった。
男性は26日に鼻水や鼻詰まりの症状があったことが分かった。28日の市の健康観察に発熱や喉の痛みを訴えて検査入院し、29日朝に陽性と確認された。
市健康安全課の松田敏明課長は「濃厚接触者の定義は、発症日以降に所定の接触があった人。26日から外出しておらず、家族2人しか該当しない」と話した。