仙台の社会福祉法人理事長による不適切会計疑惑で、市が特別監査

 仙台市青葉区の社会福祉法人グラディーレの理事長(64)による不適切会計疑惑で、仙台市は4日、社会福祉法に基づき同法人の特別監査を始めた。

 市健康福祉局総務課の職員ら6人が同日午前から施設に立ち入り、書類や帳簿などを確認したほか、職員らに聞き取り調査をした。監査は今後も継続する。

 特別監査は、重大な問題や不祥事の発生が疑われる法人に対し実施する。市によると、監査終了後に結果を公表するかは未定。監査に基づく改善勧告に法人が従わなかった場合、業務停止命令や解散命令といった行政処分が課される。

 グラディーレの理事長は2021年10月から23年7月まで、勤務実態がないにもかかわらず月75万円、計1650万円の報酬を受け取った疑いが、河北新報の取材で明らかになった。

 また法人は21年7月から23年3月にかけ、運営資金約1700万円を架空取引名目で理事長の関連する法人に流出させた疑いが出ている。

 いずれも社会福祉法に違反する公算が大きい。

 グラディーレは特別養護老人ホーム(100床)とショートステイ(20床)を運営。23年度は国、宮城県、仙台市から計約4500万円の補助金を得ている。

 理事長の周辺を巡っては、関連する群馬県桐生市の社会福祉法人で数億円に上る不適切会計が見つかり、群馬県が特別監査を続けている。

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