仙台の路上から世界へ ダンサーPOG夢実現

仙台市青葉区のプロダンサーPOG(ポグ、本名・佐々木優一)さん(33)が3月、パリで開催されるストリートダンスの最高峰コンテスト「Juste Debout(ジュストゥ・ドゥブ)」に出場する。1月の日本予選で初優勝し、出場権を得た。仙台市中心部の路上で踊り始めて18年、憧れの舞台で世界一を目指す。
ディスコのビートに合わせ、しゃがんだ姿勢から跳ね起きて両腕を縦横に交差させる。正面を指さして数秒静止する。素早い動きの中に一瞬のためをつくるのがストリートダンスのスタイルの一つ、ロッキングだ。
「ロッキングは会場全体を楽しくするダンス。僕に一番、合っている」とPOGさんは言う。
岐阜市の高校2年SHO↓RI(ショーリ)さん(17)と組んだ日本予選のロッキング部門でも大技を披露。会場を沸かせ、「日の丸を背負ってパリのステージで戦う」という10代からの夢を実現させた。
高校生でストリートダンスを知り、ロッキングの先駆者らの映像にのめり込んだ。仙台のダンサーらにとって「聖地」の定禅寺通(青葉区)のビル前で夜、練習を重ねた。
職を転々とし、各地の大会に遠征する生活を10年以上続けた後、30歳を過ぎてダンサー一本に絞った。現在はインストラクターとして仙台市や福島市でレッスンを持ったり、国内外のワークショップに呼ばれたりする日々だ。
仙台市内のダンススタジオで2月下旬、POGさんは小学生らに手本を実演してみせた。今や仙台のストリートダンススクールにも数百人の子どもが集う。競争は激しく、世界への道のりは険しいが、「仙台にいても日本一になれるし、世界にチャレンジできる」と後輩たちに背中で示すつもりだ。
「Juste Debout」は2002年から毎年催され、ストリートダンスのうち、立って踊るロッキングやヒップホップなどの部門で争う。POGさんは4、5日に登場する。世界12カ国の予選に4000人以上が参加し、予選各部門の優勝者がパリの本戦に招かれる。

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