仙台のDUCCAに抗体検査ステーション 「3回目接種の目安に」

仙台市宮城野区の飲食業カリーナフードサービスはJR仙台駅西口の飲食店内に、新型コロナウイルスワクチン接種者向けの「中和抗体検査ステーション」を開設した。感染急拡大で飲食店への客足が遠のく中、少しでも顧客との接点を保とうと企画した。自身も新型コロナ感染を経験した浅野貴之常務(46)は「今の抗体量を知り、3回目接種の目安にしてほしい」と語る。

店内に設置した検査機器で抗体量を測定する浅野常務=仙台市青葉区

血液採取、8分間で測定

 ステーションがあるのは青葉区中央3丁目の「伊達なおもてなしDUCCA(デュッカ)仙台駅前」。1日から、営業前の午前10時~午後5時に予約制で検査を受け付けている。

 利用者は、個室の宴会場を活用した検査スペースで自分で指先から血液を採取し、専用のキットに垂らす。8分間待った後、検査機器ですぐに「ウイルス阻害率」が測定される。店員が案内役を務める。

 同店は定員220人で、団体の宴会利用がメインの顧客だった。感染拡大後は定員を半分程度に絞って営業するが、大人数の予約は激減。2020年、21年の売り上げはコロナ前の19年に比べ7、8割減少した。

客足減少、新業態に挑戦

 カリーナ社は仙台、福島両市に8店を展開する。コロナ禍であえぐも閉店はせず「どうせ倒れるなら前に倒れたい」(浅野常務)と、デリバリーや冷凍食品製造など新業態に挑戦する。抗体検査ステーションも、その一環だった。

 企画した浅野常務はワクチン未接種だった昨年8月に感染。1週間、毎日40度近くまで熱が上がった。その後の1カ月間は声が出にくく、長時間立っていられなかった。洗髪のたび100本以上の毛が抜ける後遺症にも苦しんだ。「ワクチンの大切さがよく分かった」と実感を込める。

 感染予防効果が期待できる抗体量の基準は阻害率20%以上。3日までに検査した約10人のうち1人が20%未満だったという。周囲には3回目接種に迷っている人も多いといい、浅野常務は「2回のワクチン接種の効果が、どれくらい残っているか知ることで役に立ちたい」と話す。

 料金は1回4400円。系列店で使える500円の食事券が付く。団体検査にも対応する。連絡先は同ステーション022(724)7071。

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