仙台市青葉区一番町のファッションビル「仙台フォーラス」が来年3月1日から長期休業し、大規模改装を前提としたビル全体の劣化調査を行うことが4日、関係者への取材で分かった。全フロアのコンクリートを採取し、建物の傷み具合などを確かめる大がかりな内容で、1年程度を要する見込み。ビルを所有し、仙台フォーラスを運営するOPA(オーパ、千葉市)は調査結果を踏まえて改装の規模などを固め、仙台を代表するにぎわいの拠点として新生を図るとみられる。
築48年、相次ぐ地震で被害
ビルは地上8階、地下3階の鉄筋コンクリート造りで、店舗面積は計約1万4500平方メートル。1975年5月にジャスコ仙台店としてオープンし、84年11月に仙台フォーラスに業態転換した。
ビルは建設から48年がたち、東日本大震災を含む相次ぐ地震の被害もあり「修復跡が目立つ状態」(関係者)という。OPAは営業を継続しながらの調査も検討したもようだが、工期が長引くほか、改装の工法などに制約を受けることから、長期休業を選択したとみられる。
調査はコンクリートや鉄筋の劣化具合、空調や水回りなどの配管、エスカレーター、エレベーターなど設備の傷み具合、屋上の防水状況など広範囲に及ぶ見通し。関係者は「ビル解体が前提なら、ここまではしない。数十年スパンでビルを使い続けることを前提とした内容だ」と推測する。
OPAは5日、現在入居する約70のテナントを集め、こうした方針を説明するとみられる。来年3月以降の賃貸契約は、既に更新を見合わせていた。
OPAは河北新報社の取材に「現時点では何も言えない」としている。