仙台フォーラス屋上の和霊神社 参拝者への冊子一新「隠れた歴史、次代に継承」

仙台市青葉区の一番町一番街商店街振興組合は、仙台フォーラス屋上にある和霊神社の参拝者に配布する冊子「和霊神社の由来」を発行した。今年は神社が祭る山家清兵衛(1579~1620年)の没後400年の節目に当たる。従来の冊子に史実の修正を加え一新した。

 A5判14ページ。神社の歴史、一番町の結びつきなどを写真付きで分かりやすく紹介。2012年制作の従来の冊子に続き、クリエーティブディレクター浜中文夫さん(58)が監修した。浜中さんが非常勤講師を務める仙台デザイン&テクノロジー専門学校の学生が授業の一環で編集とデザインを担い、半年をかけて完成させた。
 清兵衛は、伊達政宗の長男で宇和島藩(愛媛県)の初代藩主秀宗に仕えて善政を敷いたが、政争に敗れ不遇の死を遂げた。死後、政敵が変死したり凶事が続いたりしたため、秀宗が和霊神社の祭神とした。
 また、子孫の豊三郎(1832~96年)は明治維新後、没落した士族の屋敷が立ち並んだ東一番丁を和霊神社の分社とともに商売の街へと再生した。
 浜中さんは「仙台の隠れた歴史を若い世代に継承したかった」と語る。冊子制作に参加した同校3年の菅原萌衣(もえ)さん(20)は「神社の歴史は知らなかったが、地域と関わることができた達成感でいっぱい」と話す。
 連絡先は振興組合022(265)5146。

タイトルとURLをコピーしました