三井不動産レジデンシャル(東京)などマンション分譲大手3社が、仙台市青葉区一番町2丁目の旧仙台エクセルホテル東急を、所有する日本生命保険(大阪市)から取得したことが23日、分かった。建物を解体し2015年春の完成を目標に、共同で24階建ての高層マンション(250戸規模)を建設する。ホテルは10年11月に営業を終えており、跡地利用が焦点になっていた。
他の大手2社は野村不動産(東京)と住友不動産(同)。三井によると、3社は共同事業体を組み8日付で購入した。取得額は非公表。
登記簿によると、敷地は広さ約4160平方メートル。所有権は三井が34%、野村、住友が各33%となっている。
旧ホテルは既に解体工事に入っており、13年春にもマンション建設に着手し、同年中に入居者募集を始める予定。計画では建物は免震構造を採用し、自家発電装置や防災倉庫も整備する。
土地は仙台市中心部の青葉通に面し、15年度開業予定の市地下鉄東西線の一番町駅と西公園駅(ともに仮称)のほぼ中間に位置する。
三井不動産レジデンシャルの森永哲郎東北支店長は「中心部で緑も多く、住宅用地としての環境が良好と判断した」と説明。共同で取り組む理由については「都心の大規模開発となることから、3社で合意した。災害に強い住まい造りを目指す」と語った。
ホテルは1980年、仙台東急ホテルとして開業し、02年に名称を変更した。老朽化などのため10年に閉館。東日本大震災後の昨年5月からは石巻市の被災者の2次避難所として利用された。
日生は全避難者が退去した3月末以降、ホテルやオフィスビルとしての土地利用も含め売却交渉を本格化させていた。同社は3社への売却について「地域の活性化につながると考えた」と話している。