宮城県タクシー協会は5日、仙台市内で6月7日に始まった「日本版ライドシェア」の3カ月間の稼働実績をまとめた。運行が許可された台数に占める稼働した台数の割合(稼働率)は36・7%にとどまり、低調が続く。ライドシェアの運転を担う一般ドライバーの確保が課題となっている。
日本版ライドシェアはタクシー事業者の管理下で、一般ドライバーが自家用を使って客を有料で運ぶ。仙台は金曜午後4~7時台、土曜午前0~3時台に4時間ずつ実施中。宮城運輸支局は市内の9事業者に対し、金曜は計25台、土曜は計15台の運行を許可した。
協会によると、6~8月の金、土曜の計26日間に延べ191台が稼働し、計620回の利用があった。1日平均に直すと、金曜は稼働が11・1台、利用が40・6回で、土曜は稼働3・6台、利用7・1回だった。
稼働率で見ると、金曜は44・3%、土曜は24・1%と大きな差が出た。稼働の最多は金曜が6月28日の15台、土曜が6月8日など3日間の各6台となった。
一般ドライバーを採用したのは3事業者にとどまった。他はタクシーが運転できる2種免許を持つ社員がハンドルを握ったため、本業にも影響を及ぼした。
ある事業者は「一般ドライバーは本業の合間に働きたい希望があるが(仙台で実施できる金、土曜の時間帯は)ニーズに合わせにくい」と難しさを説明した。
協会の高沢雅哉会長(仙南タクシー社長)は「8月はお盆もあり、稼働や利用が落ち込んだとみられる。仙台のライドシェアの成否を評価するには、まだ時間がかかる」と話した。