仙台・中央救急出張所きょう開所 現場到着時短目指す

仙台市消防局がJR仙台駅北側の宮城野橋(宮城野区名掛丁)の下に新設する「中央救急出張所」が31日、報道機関に公開された。中心部の救急要請に迅速に対応し、市全体の現場到着時間の短縮を目指す。出張所の新設は15年ぶりで、1日に業務を開始する。

 出張所は鉄骨平屋で床面積は約570平方メートル。橋脚を挟んで2棟の建物で構成し、橋の傾斜に合わせて東側が低くなっている。高架下にある消防機関の出張所は全国でも珍しい。

 日勤2人を含む職員20人を配置し、救急隊2隊を編成する。救急車3台、広報車1台が常駐。市消防局救急課に新年度から設置される救急対策係を置く。

 10人以上の負傷者が生じる集団救急災害に備え、治療の優先順位を決めるトリアージ用のシートなどの資機材も配備する。救急隊員の感染症予防対策や感染症対策マニュアルの策定、医学部生が救急車に同乗する実習なども担う。

 市内の救急車出動件数は6年連続で過去最多を更新し、2019年は5万4816件(速報値)に達した。高齢化の進展で救急需要は60年ごろまで増加するとみられ、出動件数が市全体の25%を占める中心部の出張所を増やした。

 市消防局の荒井勲救急課長は「現場到着時間を1分、1秒でも短縮させ、傷病者を一刻も早く搬送できるようにしたい」と話す。

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