仙台・作並温泉「岩松旅館」が大江戸温泉物語と業務提携 200年続く屋号と雇用は維持

仙台市青葉区の作並温泉の老舗旅館「鷹泉閣(ようせんかく)岩松旅館」が、全国で温泉旅館などを展開する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京)と業務提携したことが7日、分かった。コロナ禍で悪化した岩松旅館の経営の立て直しを図る。今後、事業譲渡に向けた手続きが進むとみられるが、200年以上続く「岩松旅館」の屋号や、従業員の雇用は継続する。

 両社は9月11日に業務提携に合意した。コロナ禍の集客減からの回復の遅れ、施設の老朽化といった岩松旅館の課題に対応すべく、大江戸温泉物語の認知度を生かした顧客層の拡大やオペレーションの効率化により、集客増を目指す。

 岩松旅館の岩松広行社長(75)は河北新報の取材に「自然災害など数々の困難を乗り越えてきたが、コロナ禍のダメージが大きな重荷となった。温泉旅館事業や『岩松旅館』の屋号を何としても残したかった」と話した。

 岩松旅館は江戸後期の寛政8(1796)年創業。資本金1500万円、従業員46人。東京商工リサーチによると、2024年3月期は6100万円の純利益を計上したが、コロナ禍の影響もあり、23年3月期まで5期連続で赤字だった。

 大江戸温泉は全国でホテルや旅館など37施設を運営する。仙台市内では20年に太白区の秋保温泉の老舗旅館「岩沼屋」の経営権を取得し、建物を改修して23年6月、温泉リゾートホテル「TAOYA(たおや)秋保」をオープンさせた。

タイトルとURLをコピーしました