仙台市が2023~27年度の5年間で、青葉区の定禅寺通(東二番丁通-西公園通間の約700メートル)を再整備する方針を固めたことが16日、分かった。車線を削減して歩道を拡幅し、にぎわい空間として市民が活用しやすい環境を整える。杜の都を象徴するケヤキ並木の維持・継承に力点を置くなど、都心エリアのさらなる魅力向上につなげる考えだ。
23~27年度で再整備
市は再整備の方向性として、歩行者が安全に通行、快適に滞在でき、豊かな時間を過ごせる「ひと中心の空間」への転換を掲げる。新たな空間づくりに向け、車線の削減を計画する区間は地図の通り。
車道は南北ともに、歩道寄り1車線を減らして片側2車線に変更。晩翠通西側の南側車道の一部は、他区間と比べて車両の交通量が少ないことに加え、空間活用の取り組みを継続して実施していることから片側1車線に縮小する。
車線の削減部分には、自転車専用通行帯を設置。バス停やタクシー乗り場、トラックの荷さばき用のスペースを備え、公共交通や経済活動に影響が出ないよう配慮する。
車道の削減に伴い、歩道は現行から3メートル前後広がる。大規模イベントなどで車線を通行止めにして歩道と一体活用するケースを想定し、バス停を除いて段差を小さくする。一番町四丁目商店街から勾当台公園市民広場に向かう道路との交差点は、横断歩道を青信号時に斜めに通行できるスクランブル化を目指す。
歩道の拡幅によって、ケヤキの周りを歩行者が通行できるようになる。植樹から60年以上たつ樹勢を保つため、土壌改良などの環境改善に乗り出す。
ケヤキ並木の魅力をアピールするため、中央緑道の入り口をライトアップする取り組みも検討。ケヤキ周辺を利用したイベント開催も考慮し、円形の防護柵にベンチを設けるほか、柵を支える土台に電源設備を設置する。付近には給排水設備も確保する。
再整備方針は、市と官民組織「定禅寺通活性化検討会」が21年8~9月、空間活用の可能性を探ろうと実施した車線縮小などの社会実験で、車両の通行に「大きな影響は生じなかった」との結論を踏まえた。
市は近く、再整備方針の中間案を公表する。22年度中に方針をまとめ、23年度に測量、設計などを進め、24年度に工事に入る予定。