仙台市中心部を流れる広瀬川でサクラマスが大量に死んでいるのが見つかった。川の水量不足で水温が上昇し、酸欠を起こしたことが原因とみられる。地元漁協は4日までに2000匹以上が死んだと推計した。
サクラマスが死んでいたのは、県武道館(仙台市太白区)近くにある郡山堰(ぜき)付近。広瀬名取川漁協によると、アユ釣りが解禁された1日以降、釣り人から死がいが川に浮いているとの情報が相次いで寄せられた。
稚魚を放流している漁協は2日に職員を集め、弱っているサクラマスを網ですくい上げ、堰の上流に移す作業を実施。3日には宮城県の担当者らとともに現場を調べた。
県水産技術総合センター内水面水産試験場によると、3日の付近の水温は29度。サクラマスの生息に適した水温20度以下を大きく上回った。高い気温や水量が少ないために水温が上昇し、水中の酸素が不足したとみられる。
同漁協の宍戸宗専務理事は「放流で資源回復につながっていると思っていただけに、水量不足による大量死は組合にとって大きな痛手だ」と話した。
川の水量を確保するため、県は国土交通省仙台河川事務所からの要請を受け、上流にある大倉ダム(青葉区)で放水を始めた。