仙台・東部復興道路、来月19日に全線開通 盛り土構造津で波を軽減

仙台市は17日、東日本大震災で被災した沿岸部に整備したかさ上げ道路「東部復興道路」が10月19日午後3時、全線開通すると正式に発表した。当日は午前11時から震災遺構荒浜小などで式典を行い、関係者が車で通り初めをする。

 東部復興道路のルートは地図の通り。総延長10.2キロで、県道区間6.8キロと市道区間3.4キロで構成する。高さ約6メートルの盛り土構造で堤防機能があり、海岸堤防などとの多重防御で津波の威力を軽減させる。
 工事は9割以上が完了。復興道路から西に延びる三つの「避難道路」も8月末までに整備が終わった。県道塩釜亘理線は、復興道路と並行する区間が市道となる。市は市議会9月定例会に関連議案を提出する。
 式典では郡和子市長や地元の高砂中生徒があいさつし、テープカットで開通を祝う。地元の七郷すずめ連や六郷すずめっこによるすずめ踊り演舞もある。
 開通前の復興道路を楽しむイベントも開かれる。15日にあったツール・ド・東北に続き、29日は若林区まちづくり協議会が「東部かさ上げ道路を歩こう」と題し、事前申し込みの市民と800メートルを歩く。10月6日は地元の新浜、南蒲生両町内会が見学会を開催。13日はバスツアーも行われる。
 郡市長は定例記者会見で「多重防御の要として整備した命の道、命の防波堤だ。全線開通で市の復興事業はハード面がほぼ完了する。ようやくここまで来たという特別な思いで開通日を迎えたい」と語った。

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