仙台・梅田川フェス29日復活 津波被害で休止、8年ぶり 地元児童ら川と親しみ環境保全へ

仙台市宮城野区仙石(せんごく)、福住町の住民らでつくる梅田川浄化会は29日、河川に親しみながら環境保全を考えるイベント「ラブリバー梅田川フェスティバル」を8年ぶりに開催する。1995年から続く地域の恒例行事だったが、会場の扇町橋河川敷が東日本大震災の津波で被災し、長らく休止を余儀なくされた。堤防の復旧工事がおおむね終わったため、復活に踏み切った。

通算17回目の今年は震災前と同様、地元の高砂、田子両小、田子中の児童生徒による踊り、吹奏楽の披露、ドジョウ2000匹の放流、シバザクラの植栽などを予定する。和太鼓グループ「Atoa(アトア)」も加わって盛り上げる。
フェスは23年前、護岸工事の完了を記念して始まった。子どもたちに梅田川に関心を持ってもらおうと、毎年7月の河川愛護月間に合わせて開催。震災直前には住民ら約800人が参加するイベントに成長した。
「サケが上る川に」を合言葉に、浄化会が92年から続けてきた清掃活動の成果もあり、梅田川の水質は徐々に改善。2006年には念願のサケ遡(そ)上(じょう)を確認できたが、震災で水辺の環境は一変した。
梅田川をさかのぼった津波は、海から約8キロ離れたJR小鶴新田駅付近まで到達したと言われる。フェス会場の河川敷は大量の土砂や流木などに埋まった。復旧工事が始まらず、フェスは長期休止を迫られた。
「休止でなく終わりにしてはどうか」との声もあったが、昨年ようやく復旧工事が開始された。河川敷は震災前の姿を取り戻し「やはり子どもたちが身近な川に親しむ機会は必要だ」と復活へ動きだした。
池田友信会長(75)は「震災から7年余り。梅田川の環境保全活動はここから再スタートする。久しぶりのフェスで子どもたちの喜ぶ顔が見たい」と話した。

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