仙台・沖野に広がれ、震災の記憶つなぐ「ど根性ひまわり」 児童たちのプロジェクトスタート

仙台市若林区の沖野地区で、東日本大震災の津波に耐えて花を咲かせた「ど根性ひまわり」を広める「すすめ!沖野ひまわりプロジェクト」が始まった。震災の伝承につなげようと児童や住民らが協力し、庭先で育てる呼びかけなどを計画する。関係者は「ヒマワリでまちをいっぱいにして、いずれは地域のシンボルにしよう」と張り切っている。

[ど根性ひまわり]東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市門脇・南浜地区で、塩害に負けずに育ったヒマワリ。2011年夏に花を咲かせ、「復興のシンボル」とも称された。現在は全国各地で植栽されている。

14代目、9月上旬に40本満開

 沖野市民センターに10月下旬、沖野東小の児童や地元町内会のメンバーら約20人が集まり、同月に始動したプロジェクトの活動方針を話し合った。「近くの集会場にポスターを貼って活動を知ってもらおう」「校内放送で流すのはどうかな」などと、アイデアが続々と提案された。

 プロジェクトが始まったのは、センターの菅原孝代館長が泉区の南中山児童センターに勤めていた2022年、地元住民からど根性ひまわりの苗を譲り受けたのがきっかけだった。本年度に現職となり5月末ごろ、子どもたちとセンターの敷地に種をまき、9月上旬には2メートルほどまでに伸びた約40本が満開を迎えた。

 菅原館長は「地域で共通した話題になる。震災を知らない子どもが防災の大切さを感じる一助になってほしい」と狙いを説明する。

 今年大輪を咲かせたのは、ど根性ひまわりの14代目に当たる。プロジェクトの第1弾として、今月3日の「沖野地区市民まつり」の来場者に15代目の種を300袋配布した。

 沖野舘町内会の染谷恵司会長(76)は「子どもが主体の活動を地域がサポートし、プロジェクトを成功させたい」と強調。沖野東小4年の鈴木史生さん(10)は「奇跡的に残ったヒマワリのエピソードもいろいろな人に伝えていけるといい」と話した。

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