現地で建て替える仙台市泉区役所の新庁舎起工式が19日、敷地南西側の更地であった。来年1月6日に着工し、地下2階、地上6階の新庁舎(延べ床面積約1万5547平方メートル)が2026年10月に完成し、引っ越し作業を経てオープンする予定。現庁舎の解体や広場の整備を含む全事業の完了は29年度を見込む。
泉中央駅への地下道と直結
起工式には関係者ら約50人が出席。事業者を代表し、三菱地所(東京)の増渕多俊東北支店長は「世界から選ばれる仙台のまちづくりを手伝いたい」とあいさつ。郡和子市長は「多様な人々が行き交い、周辺ににぎわいが波及するよう取り組んでいく」と述べた。
新庁舎の1階には、利用者の多い戸籍住民課や多目的に活用できる「区民ホール」を配置。西側には、企業や学校の送迎バスなどの乗降に利用できる車寄せも設ける。他の窓口や執務室は2~4階で、5階には水道局料金センターや区民も使える会議室を置く。
市地下鉄泉中央駅への地下道と直結し、エレベーターとエスカレーターを設けてアクセスを向上させる。敷地の中央には、これまでの区民広場の1・5倍となる約3000平方メートルの広場を再整備する。
新庁舎は三菱地所など8社でつくるグループが手がけ、市が買い取る。価格は現時点で約132億円。グループは敷地の東側約9000平方メートルを取得し、民間施設2棟を新設する。南側は東北労働金庫などが入るビル、北側は賃貸マンションや集客施設を計画する。
現在の本庁舎は1977年、旧泉市役所として建設され、仙台市との合併と政令市移行に伴い区役所となった。市は18年、老朽化を主な理由に建て替える方針を表明。昨年始まった先行工事で新庁舎の建設地にあった緑地や区民広場を更地にした。