仙台・荒浜に最大規模の「避難の丘」 来月利用開始

仙台市が若林区荒浜の防災集団移転跡地に整備を進める市沿岸部で最大規模の「避難の丘」が間もなく完成する。現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最終盤の舗装工事などが一時ストップしているが、盛り土はほぼ終わっている。市は4月中に利用を始める予定で、東部復興道路の東側5カ所に計画した避難の丘の整備が完了する。

 完成が近づく避難の丘は震災遺構「荒浜小」南側で、東部復興道路と県道荒浜原町線の交差点の南東側に位置する。高さは10メートルあり、頂上部は正方形状で面積約5670平方メートル。災害時、5カ所の丘で最も多い5300人が駆け上がれる。
 東西南北1カ所ずつ階段を設置し、海側から頂上部につながるスロープもある。あずまやとベンチを配置し、平常時はイベントや被災地視察、避難訓練などを行う広場として活用する。
 市は荒浜地区の復興計画で、集団移転跡地にオープンする観光果樹園などの来場者ら3000人、深沼海水浴場の利用客3300人の避難場所を検討。荒浜小に1000人が避難できるため、残りの人が身を寄せる場所として造成した。
 東日本大震災後、宮城野区岡田、若林区荒浜(荒浜小北側)、井土、藤塚の計4地区の海岸公園内に避難の丘が整備された。高さは岡田と荒浜が10メートル、井土と藤塚が15メートル。4カ所で計1970人が避難できる。
 荒浜小南側も通路の舗装や芝生の張り付け、外周の工事などを残すだけとなった。市復興まちづくり課の担当者は「避難の丘の完成で荒浜地区を安心して訪れる人が増え、にぎわい創出につながる」と期待する。

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