仙台市は2日、東日本大震災に伴う防災集団移転跡地の利活用事業で、再募集した若林区荒浜地区の6区画(約17万9290平方メートル)のうち、3区画(約7万6680平方メートル)の事業者が決定したと発表した。スポーツ施設や市民農園、障害のある子どもも楽しめる公園などを整備し、沿岸部ににぎわいを創出する。
事業者が決まった3区画は地図の通り。
船舶整備業「木村造機」(塩釜市)は震災遺構荒浜小に近い5140平方メートルの区画で、バスケットボールの屋外コートやトレーニングジムを計画する。東隣の2万7760平方メートルの区画に決まった建設業「東北黒沢建設工業」(仙台市)は、バーベキュー場付きの市民農園を手掛ける。
貞山堀東側の4万3780平方メートルの区画は「今野不動産」(同)に決定。障害児も遊べる遊具を備えた市内初の「インクルーシブ公園」を企画する。同社は北東の隣接区画に来年度オープンさせる農園と一体的な運営を計画している。
再募集した6区画は当初、市内の企業がサッカーやキャンプが楽しめる施設の整備を目指した。新型コロナウイルスの影響で昨年11月に撤退し、市は今年3月に改めて募集。8事業者の応募があり、外部委員会が審査し、3区画を決めた。
市が宮城野区南蒲生、新浜、若林区荒浜、井土、藤塚の計5地区で展開する利活用事業は、全34区画のうち荒浜地区の残り3区画の事業者が決まっていない。残り区画の再々募集の時期は現時点で未定という。