仙台・藤塚地区のにぎわい創出へ かわまちづくり協が初会合 来年度、海岸公園を利用し水辺アクティビティーや自然観察

仙台市と東北地方整備局仙台河川国道事務所は7月24日、貞山運河と名取川に接する若林区藤塚地区のかわまちづくりを考える協議会の初会合を青葉区役所で開いた。2027年度の全面完成を目指す海岸公園約9ヘクタールと隣接する湿地について、使い勝手の良い施設の仕様や利活用の在り方などを議論する。

社会実験通じて 課題検証

 委員は学識経験者や周辺事業者、地元関係者ら12人で、宮城学院女子大の宮原育子教授(地域資源論)が会長に就いた。協議会は海岸公園の整備と並行し、27年度まで継続する。

 下部組織として舟運や水辺アクティビティー、自然観察などの事業者でつくる作業部会を置く。将来的な事業主体として、具体的な運営方法を検討する。

 市は25年度、水辺アクティビティーや自然観察の社会実験を行い、課題を検証する方針。宮原会長は「官民のさまざまな取り組みが集まる地域で、連携してにぎわいを創出し、自然環境を損なわない形で盛り上げていきたい」と話した。

 藤塚地区は東日本大震災の津波で大きな被害を受け、災害危険区域に指定された。市の海岸公園基本計画では「自然」「震災継承」「にぎわい」の3エリアを設定。国の「かわまちづくり支援制度」を使い、市と国、民間事業者が分担して各種施設を順次整備する。

 市は地区の象徴だった藤棚の再生など継承エリアを主に担う。国は親水護岸や散策路を整備。にぎわいエリアは主に民間事業者による整備運営を想定し、渡し舟の運航拠点施設やオープンカフェを設置する。

タイトルとURLをコピーしました