ホテルリッチフィールドサービス(仙台市)は26日までに、仙台市と郡山市にある三つのビジネスホテル「ホテルリッチフィールド」の経営を、横浜市のブリーズベイホテルを旗艦店とする「BBHホテルグループ」に譲渡した。いずれも11月1日付で名称を変える。従業員約100人は引き続き雇用されている。
リッチ社親会社の阿部蒲鉾(かまぼこ)店(仙台市)によると、10日1日付で、BBHグループの企業に譲渡した。
3ホテルは仙台市青葉区国分町の「リッチフィールド仙台」、同区中央の「リッチフィールド青葉通り」、郡山市大町の「リッチフィールド郡山」。このうち「青葉通り」は阿部蒲鉾店が土地と建物を所有しており、BBH側へ賃貸した。
名称はそれぞれ「ホテルグランテラス仙台国分町」「ホテルクラウンヒルズ仙台青葉通り」「ホテルクラウンヒルズ郡山」に変わる。
阿部蒲鉾店は将来的な経営基盤強化のため、笹かまぼこ製造・販売に経営資源を集中させることにした。リッチ社はホテル業から撤退し、阿部蒲鉾店が仙台市中心部に開設した駐車場運営に専念する。ホテル事業は東日本大震災後の復興需要で好調だったという。
BBHグループは2004年にホテルの買収再生業に参入し、全国で59ホテルを展開。東北でも東急グループの福島東急イン(現ホテルクラウンヒルズ福島、福島市)を買収するなどしている。
阿部蒲鉾店の鈴木文彰管理本部長は河北新報社の取材に「全従業員の継続雇用を条件に譲渡先を探してきた。復興特需に沸くこの時期だからこそ、専門ノウハウのあるホテルグループに引き継げた」としている。
3ホテルのうち、青葉通りは1973年、東京第一ホテルとして開業し05年に改称。郡山は89年に第一イン郡山としてオープンし、02年に名称を変えた。仙台は99年に閉館したホテルリッチ仙台を引き継ぎ、2000年に開業した。