仙台市太白区の「あすと長町仮設住宅」で暮らす住民約40人が27日、日帰りツアーで山形県最上町の赤倉温泉を訪れ、旅館で入浴や食事を満喫したほか、ゲームや俳句作りを楽しんだ。
あすと長町仮設住宅(233戸、約450人)はさまざまな地域から移り住んでいるため、住民でつくる仮設住宅の運営委員会が互いの親睦を深めようと主催した。
松尾芭蕉が旅した「奥の細道」とほぼ並行する国道47号を走るバスの中では俳句作りを楽しみ、昼食後は最上町民有志が司会の「自己紹介ゲーム」で盛り上がった。最上町側は温泉卵や地酒、地元の義経弁慶伝説にちなんだ「弁慶どら焼き」を土産などで提供した。
東日本大震災の津波で石巻市の自宅を失い、あすと長町仮設住宅で暮らす遠藤きみ子さん(75)は「いい機会だと思って参加し、楽しい思い出になった。知り合いも増えて心強い」と笑顔で話した。
最上町民有志が昨夏、長町のイベントに出店したのがきっかけで交流していた長町の住民グループが橋渡し役となった。運営委員会の鈴木良一会長(69)は「住民同士が打ち解け、またとない気分転換になった。こうした取り組みを今後も続けたい」と語った。