仙台・青葉まつり中止 感染拡大、経済環境も考慮

仙台・青葉まつり協賛会は1日、新型コロナウイルス感染拡大により、仙台市中心部で5月16、17の両日に開催を予定した「第36回仙台・青葉まつり」を中止すると正式に発表した。会場や練習の場で感染が広がる恐れがあるほか、地元企業から協賛金を集められる経済環境にないことなどから開催は困難と判断した。
 会長を務める鎌田宏仙台商工会議所会頭が市役所で記者会見し「苦渋の決断。何とかやりたかったが新型コロナには勝てない。決断せざるを得なかった」と語った。青葉まつりは仙台の初夏の風物詩。中止は東日本大震災が発生した2011年以来となる。
 協賛会は出演者の手洗い徹底、観客の立ち入り規制などによる開催も模索したが、感染者が出た場合、濃厚接触者を把握できなくなると判断した。山鉾(やまぼこ)やすずめ踊りを披露する参加企業の中には交通や通信などライフラインを担う会社もあり、万が一の場合、本業に影響することへの懸念もあった。
 例年、まつりの開催経費8000万~9000万円の一部に、地元企業からの協賛金3000万円程度を充てていた。上野隆士まつり実行委員長は、11年の中止時に6月にすずめ踊りだけ実施したことに触れ「事態が収まった時は踊りだけでもできないかと考えているが、世界的に感染が広まっており、可能かどうか情勢を見極めたい」との認識を示した。

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