仙台市が新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)と認定した青葉区の台原デイサービスセンターは利用者9人、職員1人が感染した。利用者は週数回センターを訪れていたが、7月下旬に9人全員の利用が重なった日はなく、感染は数日かけて広がった可能性がある。市は3日、感染症の専門家による支援チームを設置し、再発防止策の徹底などに乗り出した。
センターを運営する市社会福祉協議会と市保健所が説明した感染者の利用状況と発症日は表の通り。職員を含む10人全員が居合わせた日が1日もなく、感染が一度に広がった可能性は少ないとみられる。
最も早く7月23日に発熱などの症状が表れた70代女性(124例目)が、最後にセンターを利用したのは21日。後に感染が分かる職員1人、利用者3人(118、121、126例目)と居合わせた。
21日はセンターを訪れなかった5人のうち、2人は23日に80代男性(118例目)、他の2人は24日に80代女性(121例目)と利用が重なった。残る80代女性(128例目)は、27日に別の80代女性(121例目)ら5人と一緒だった。
市保健所の松田敏明参事は感染者の利用日にずれがあることから「施設内で何回か感染の拡大があったことが予測される。(利用者間の)2、3次感染はあり得る」との見方を示した。
施設内では息苦しさを訴え、マスクを外す利用者がいたという。食事も来所者が多い日は対面に近い状態になった。利用者は送迎の車内でも一緒になることがあり、感染の職員は送迎車の運転を担当していた。
市はセンターで感染が広がった原因を調べる。3日は専門家の「感染制御地域支援チーム」を発足させ、台原のクラスターを説明した。市内673カ所の高齢者施設にはチェックシートを配布し、マスク着用や検温など基本的な感染予防策の再点検を要請した。