8日閉幕した仙台七夕まつりの竹飾りの撤去作業が同日夜に行われ、一部が沿岸部の企業などに引き取られた。東日本大震災を受けて「鎮魂」と「復興」の願いを込めた飾りは今後、津波被災地に飾られる予定だ。
仙台市青葉区中央のハピナ名掛丁商店街では、石巻市の水産物輸入卸売業会社「NOMCO&CO.」がくす玉や吹き流しを譲り受けた。「がんばろう東北」と書かれた飾りもあった。
同社は今後、本社のロビーやグループ会社が運営する松島町の「松島観光物産館」の入り口などで展示。長期間にわたって地元の被災者や観光客に見てもらう。
飾りの譲り受けは10年以上前から続けてきたが、自社主催の催しで一時的に展示するだけだった。震災では家族を亡くしたり自宅を失ったりした従業員もおり、被災した地域のためにも長期展示する方向に転じた。
阿部きみよ専務は「飾りを通じて震災を忘れないようにし、被災地の励みにもしたい」と話す。
飾りを提供したドコモショップ仙台店は「被災者と共に歩む気持ちで譲った。活用されればうれしい」としている。
このほか東北学院大の学生グループが、観光客のメッセージ入り竹飾りを塩釜市の観光施設「マリンゲート塩釜」に送った。施設内で展示してもらう。