仙台七夕、飲食も盛況でした 初のコンテスト、グランプリは?

4年ぶりの通常開催となった仙台七夕まつりは8日、盛況のまま閉幕した。期間中は好天に恵まれ、新型コロナ対策で自粛が求められていた飲食物の露店販売が復活し、中心商店街は連日多くの人でにぎわった。接客に追われた商店主らからは「コロナ禍前のにぎわいが戻った」と景気のいい声が聞かれた。

 利久一番町店(青葉区)には連日、仙台名物牛タン焼きを求める客が長蛇の列を作った。特に初日の6日は多忙だったといい、小林哲也店長(49)は「スタッフ一同、気合を入れて臨んだ」と手応えを語った。

 ホテルメトロポリタン仙台(同)の5~7日の宿泊者は計2717人。2018年に比べ26%増え、客室稼働率は9割超となった。山岸浩太郎宿泊統括支配人(47)は「コロナ禍前を大きく上回る実績。多くのお客さまの笑顔に触れられた」と目を細めた。

 祭りの3日間、仙台の最高気温は30度を超えた。人混みの熱気も手伝い、お茶の井ケ田仙台中央本店(同)では冷たいずんだシェイクが平時の10倍以上の売れ行き。久保田豪店舗開発部課長代理(37)は「食べ物を扱う店にとって、食べ歩きが解禁となったのは大きい」と喜んだ。

 笹かまぼこの阿部蒲鉾店本店(同)には手焼き体験などに順番待ちの列ができた。阿部賀寿男社長(58)は「客足はコロナ前と同等かそれ以上。お土産需要も高かった」と総括。名物のひょうたん揚げはコロナ禍前の9割ほどにとどまり、「この暑さでは冷菓に人が流れるのは仕方ない」とこぼした。

 青果販売のいたがき東一番町店(同)は、宮城県産の完熟イチゴを急速冷凍させて練乳をかけた「いち氷」を七夕で初めて扱い、初日だけで約2000個を売った。板垣金太郎社長(64)は「味には自信があったが、暑さもあって非常に好評だった。今後もイベントなどで販売していきたい」と意気込んだ。

グランプリは藤崎、準グランプリにシマダメガネ

 仙台七夕まつり協賛会は8日、今年初めて実施した「中心部商店街七夕飾りコンテスト」の受賞者を発表した。市民や観光客からのウェブ投票の結果、グランプリに藤崎(おおまち商店街振興組合)、準グランプリにシマダメガネ(一番町四丁目商店街振興組合)の七夕飾りが選ばれた。

 藤崎の七夕飾りは、白とピンク、紫の3色の和紙の「花びら」で天の川を表現した。「緑と花に囲まれた自然豊かな杜の都」の発展を願い、若手社員が中心になって制作。環境にも配慮し、一部には再生紙を使った和紙を用いたという。

 ペパーミントの香りを飾りに吹きかけ、見物客に爽やかさを感じてもらえるよう趣向を凝らした。広報担当者は「4年ぶりの通常開催となり、アーケード街に展示した七夕飾りを多くの人に見てもらえたことがうれしい」と喜んだ。

 シマダメガネの七夕飾りは、伝統的な吹き流しに花の模様や折り鶴などを取り付け、カラフルに仕上げた。経営者の島田俊一さんの妻啓子さんを中心に、仕事の合間を縫って約3カ月かけて制作したという。

 啓子さんは「子どもたちが見て喜ぶような、明るい七夕飾りを目指した。受賞は驚いたが、『毎年楽しみにしている』と言ってくれるお客さんにも喜んでもらえた」と話した。

 協賛会は7日、中心商店街の七夕飾りのうち、個人賞を受賞した計36の七夕飾りを対象にウェブ上で投票を受け付けた。総投票数は3036票で、個別の得票数は公表していない。グランプリと準グランプリの受賞者には9月に記念品などが贈られる。

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