仙台七夕まつり(8月6~8日)で竹飾りに使用する竹ざおのほぼ全量が、「竹紙」として再利用される見通しとなった。現在、地元業者などが具体的な商品化プロジェクトを進めている。エコな祭りを演出し、新たな紙文化の発信を目指す。関係者は「東日本大震災からの経済復興につなげたい」と意気込む。
プロジェクトを担うのは、仙台七夕まつりの竹飾りを製作する鳴海屋紙商事(仙台市)。親会社の国際紙パルプ商事(東京)や関連企業と連携し昨年から、実験的に絵はがき、ノートなどを竹から製作してきた。
昨年は使用済みの竹の一部にとどまったが、ことしは仙台七夕まつり協賛会の理解を得て、約3000本の竹飾りの大部分を回収する。協力してくれる富山県内の製紙工場などに運び、竹紙への再生を図る。
仙台七夕の分だけではコスト的に製紙の原料として足りないため、他地域の国産竹も用いる。昨年より仙台七夕の竹の比率を高め、七夕関連の竹紙商品を開発する。
仙台七夕の竹は、短く切って「竹灯(あか)り」などに再利用する商店街もあるが、ほとんどは焼却処分されてきた。
竹紙は滑らかに文字が書け、折っても破れにくいといった特徴がある。昨年発売した竹紙商品も消費者の評判が高く、引き合いが殺到したものもあったという。
竹紙化を提唱した国際紙パルプ商事の田中康友仙台支店長は「竹紙文化を仙台から発信したい」と強調。プロジェクト代表を務める鳴海屋紙商事の太田研三社長は「仙台七夕にふさわしい新商品を作り、観光面でも貢献したい」と話している。