仙台市内の9商店街でつくる市中心部商店街活性化戦略研究会の共通駐車券事業「まちくるチケット」の本格的な運用が来年1月に始まる。今月末までの第2回実証実験は初回よりサービス内容を拡充させた結果、利用者や参加店の評判は、おおむね上々だった。研究会は大型店などにも参加を働き掛け、チケットの利便性をさらに高める。
第2回実証実験は8月にスタートした。クリスロード、一番町四丁目、本町、ハピナ名掛丁、マーブルロードおおまち、サンモール一番町、ぶらんど~む一番町、仙台駅前、仙台朝市の9商店街が協力。参加店が客の買い物額に応じ、参加駐車場で使える400円券と100円券の2種類の共通駐車券を配っている。
研究会によると、参加店は昨年2月の初回実験の142店から150店に増え、駐車場も63カ所から125カ所に倍増した。駐車券の発行は11月までで約1万5000枚に達した。
このうち駐車場で実際に使われたのは約6200枚だった。月ごとの推移はグラフの通りで、研究会事務局は「事業が周知され、月を追うごとに利用者が増えた」と分析。アンケートでは利用者や参加店の大部分が事業継続を求めたという。
本格実施では実験への参加を見送っていた大型店やホテル、オフィスビルなどにも参加してもらい、利用増と事業の採算性アップを図る計画。独自の共通駐車券事業を併せて行っている商店街もあり、事業一本化の可能性も探る。
事務局の石井光二代表は「駐車場確保は中心部商店街の長年の課題。郊外の大型商業施設に対抗するため、共通駐車券事業を定着させたい」と語った。