仙台初売り、今回も慎重 にぎわいづくりの鏡開きや甘酒振る舞い、中止・規模縮小続く

新型コロナウイルス下では3回目となる仙台初売りが来年1月2日朝、仙台市内で始まる。市中心部の商店街振興組合は例年、酒だるの鏡開き、甘酒の振る舞いなどを通じてにぎわいづくりに努めているが、感染拡大を警戒して今回も慎重姿勢が目立つ。4組合は催しを全て中止し、2組合は規模を縮小する予定だ。

歳末商戦が終盤を迎えた中心部商店街。コロナ下の仙台初売りが近づく=仙台市青葉区一番町

感染防止優先

 「やはり感染を避けるのが先決」。ぶらんどーむ一番町商店街の約70店が加盟する一番町一番街商店街振興組合の三田恵介理事長(72)はこう強調する。

 コロナ前は盛大な催しで有名だった。太鼓演奏を皮切りに、福娘による福餅配り、手拭いの無料配布、鏡開きなど盛りだくさんの内容で1000人以上が行列を作った。

 今回も事業予算は組んでいた。三田さんは「感染の波が収まらないうちは難しい」とため息をつく。

 サンモール一番町商店街振興組合は、縁起獅子舞の披露や無料休憩所の設置、甘酒やホットコーヒーの提供など、予定していた企画を全て行わない方針を決めた。

 おおまち商店街振興組合も藤崎前で例年実施していた鏡開きを自粛。クリスロード商店街振興組合は市の観光PR集団伊達武将隊の演武を中止する方向だ。

太鼓演奏だけ

 一方、名掛丁商店街振興組合は2日午前、甘酒の振る舞いなどはやめて、太鼓の演奏だけを3年ぶりに実施する方針だ。安住浩一理事長(65)は「感染対策を十分にした上、できる限り、お客さんにおもてなしの心を伝えたい」と力を込める。

 一番町四丁目商店街振興組合は、例年実施していた甘酒やソフトドリンクの振る舞いをやめ、加盟店で使える1割増商品券の販売も3年連続で中止する。鏡開きだけは小規模に実施して、仙台伝統の新春初売りに花を添える予定だ。猪股孝之理事長(68)は「感染状況によっては直前の中止もあり得る」とし、平穏な年明けとなるよう祈る。

 組合の取り組みは自重する方向でも、各理事長らは異口同音に「各店には頑張って初売りを盛り上げてほしい」と期待する。今夏3年ぶりに通常に近い規模で開催し、多くの人出でにぎわった仙台七夕まつり並みの盛り上がりを願う。

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