仙台印刷団地運営の「フライト」 デザイン力で中小支援

 仙台印刷工業団地協同組合(仙台市若林区)が運営する新事業創出支援施設「FLight(フライト)」が、東北の中小企業を対象にした販売促進支援に力を入れている。強みのデザイン力を生かして商品の付加価値を高め、販促力で大手に後れを取る中小企業の弱点克服を図るのが狙い。
 組合は12日、新潟を含む東北7県の企業を支援する東経連ビジネスセンターと共同で「マーケティング実践セッション」と題するコンペを若林区の団地内で開いた。
 組合に加盟する6社の5グループが参加。釜石市の製麺業「川喜」が開発した生そばの新商品のロゴマークとパッケージ、バイヤー向けリーフレットのデザインプランを競った。
 各グループは、事前に示された商品の特長や開発意図、市場調査結果などを基にプランを練り上げた。審査の結果、ユーメディア(若林区)の提案が採用された。
 川喜の生そばは岩手大と共同開発した。同社の川端実会長は「苦労して完成させた新商品が素晴らしいデザインを得た。自信を持って発売に踏み出せる」と喜んだ。
 コンペは組合加盟企業の研修を兼ね、ユーメディアの担当者は「講評をもらえ、他社の提案も知ることができる公開コンペは経験がなく、勉強になった」と話した。
 フライトは2011年2月設立。起業家や事業拡大を目指す中小企業に団地内の空き工場を貸し出したり、大学や行政への橋渡し役を担ったりしている。今回の取り組みを通じ、印刷受注にとどまらない業界の営業力アップにつなげたい考え。
 フライトの笠間建シニアマネジャーは「商品コンセプトを、実際のパッケージやリーフレットに反映させて販促につなげるのは印刷業ならでは。中小企業が競争力を持つため、デザインの活用を働き掛けたい」と話す。

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