仙台国際空港、資本金42億円から1億円に 減資で「中小企業」扱い、税軽減図る

仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)が42億4900万円の資本金を税法上「中小企業」の扱いとなる1億円に減らすことが20日、分かった。中小企業になることで税負担を軽減。新型コロナウイルス禍で悪化した財務基盤を強化し、今後回復が見込まれる旅客対応に注力する。

3月17日に臨時株主総会

 債権者が異議を述べる債権者保護期間を今月20日~3月20日の1カ月間設けた上で、東急や前田建設工業(ともに東京)など株主7社が参加する臨時株主総会を3月17日に開催。承認されれば3月24日に減資を行う予定。

 仙台国際空港は減資の理由を「法人事業税の支払い義務の免除など、税制面での効果が狙い」と説明。減資した分は全て資本準備金に繰り入れ「累積赤字の穴埋めや株主配当などに用いる予定はない」としている。

コロナ下は3年連続赤字

 仙台空港の旅客数は2021年度165万人で前期比35・6%増えたが、国際線が運休していたこともあり、コロナ禍前の19年度実績の44・4%にとどまる。21年度決算は営業収益が前期比7・5%減の22億8500万円と2年連続で減少。経常損失は11億4400万円、当期純損失は10億8500万円と、コロナ下は3年連続赤字だった。

 前田基取締役管理部長は「23年度は便数、旅客数ともにコロナ禍前に近づく見込み。経営基盤をより早く改善させるため、減資を決断した。継続的な黒字化を目指し、安全で快適なサービスを提供する」と語った。

 仙台空港は16年7月、国管理の空港としては全国で初めて民営化。仙台国際空港が30年間の運営権を22億円で取得した。

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