仙台圏「事業用不動産」取引なお高水準 23年は84件 高止まりする首都圏からの物件購入続く

不動産や金融の専門家でつくるアセットブレインズ仙台ネットワーク(仙台市)は、住宅用以外の土地や建物などの事業用不動産に関し、仙台圏の2023年の取引状況を調査した。件数、金額とも調査開始(12年)以来の最多を記録した22年を下回ったものの、活発な取引は継続して高水準となった。首都圏の企業や投資家が、地方都市の物件を購入する傾向が続く。

 件数と金額の推移はグラフの通り。23年は84件、計934億8000万円の取引があった。件数は22年の105件から20・0%減少し、金額は1311億7700万円から28・7%減となった。

 不動産投資信託「J-REIT(リート)」の取引額が、379億4500万円から19億9000万円に激減。22年は8件あった30億円以上の大型取引も5件にとどまった。22年に比べると取引の一服感がみられたが、件数は調査開始後3番目の水準を維持した。

 買い手の内訳を購入額ベースで見ると、首都圏など東北以外の企業・投資家が64・6%を占めた。首都圏の不動産価格の高止まりを背景に、仙台圏を投資先に選んで積極的に物件購入している傾向がうかがえる。

 不動産の種類別の内訳は土地が37件・385億7000万円、ビルが11件・111億7000万円、物流施設が2件・21億5000万円など。1年以内に売却する転売目的の取引は11件・177億6000万円で、22年に比べて半減した。

 佐々木正之事務局長は「首都圏の物件不足により、投資先として地方都市が注目を集めている。建設費高騰などのリスク要因はあるが、活発な取引は今後も続きそうだ」と見通す。

 調査は不動産登記や独自の積算に基づき、おおむね3億円を超える取引を分析した。

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