仙台圏のマンション 顧客獲得にセキュリティー強化続々

指紋で施錠・解錠したり、携帯電話を使って外出先から室内の状況を確認したりできるなど、セキュリティーを強化したマンションが、仙台圏で増えている。分譲、賃貸とも建設ラッシュで競争が激化する中、各業者は「安全・安心」を売り物に、顧客の獲得合戦を繰り広げている。

<東北初の導入>
 仙台市宮城野区高砂に1月末に完成した賃貸マンション(6階18戸)は、エントランスのオートロックドアと各戸のドアに「指紋認証システム」を導入した。

 ドアわきの指紋センサーに指を当てると、登録者の指紋を認証し、錠が開く。各戸のドアでは、指紋を読みとらせる前に、暗証番号も入力する必要がある。鍵の使用も可能だが、指紋で施錠した場合は、指紋でしか解錠できない仕組みだ。

 マンションを建設した大成ハウジング(仙台市)は「エントランスから各戸のドアまで指紋システムを導入したのは、東北初めてだろう。鍵を持ち歩く必要がなく、なくすことも合鍵を作られる心配もない」と強調する。

 NTTドコモ東北と連携し、携帯電話「FOMA」を活用したセキュリティーシステムを取り入れたのは、三菱地所が青葉区五橋で建設中の高層マンション(23階、127戸)。外出先で携帯端末を使って錠と照明、エアコンの状態確認や操作ができる。来訪者がエントランスで部屋番号と呼び出しボタンを押すと、カメラが作動し、映像が携帯画面に映し出される機能も備える。

 住友不動産は、エントランスに加え、各戸ドア前の来訪者もTVカメラ付きインターホンで確認できるシステムを、青葉区上杉のマンション(10階、24戸)などに備えた。ドアの錠も二重で、防犯セット中に窓などが開けられると警報が鳴るセンサーも一部の部屋に採用した。

<高い防犯意識>
 このほか、大手警備会社などと提携し、集中監視で安全を守る24時間セキュリティーシステムも普及。防犯カメラの台数を増やし死角を減らしたり、1階住戸に防犯ガラスを装備したりする物件もある。

 大手開発業者は「住民の防犯に対する意識は高まっており、販売促進にセキュリティーの充実は欠かせない。快適なマンション生活を送ってもらうためにも、今後も犯対策を重視する」と話している。

2007年02月16日金曜日

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