2014年に仙台圏で供給された新築マンションの平均価格は前年比10.0%(354万2000円)増の3913万2000円で、過去最高となったことが 広告代理店DGコミュニケーションズ仙台支社のまとめで分かった。東日本大震災の復興需要に伴う建設費の高騰を背景に、高値水準が続いた。
仙台圏の供給状況は表の通り。全体の供給戸数は691戸減の574戸で、震災のあった11年の674戸を下回り、1988年の調査開始以来、過去最少となった。中でも青葉区は93戸で前年比459戸の大幅減だった。
吉野敦支社長は「青葉区では、建設費の高騰で適正価格での供給が難しくなったほか、建設会社が決まらずに着工が遅れたことも供給減の要因となった」と分析する。
平均価格は、青葉区が2年連続で4000万円台を超え、バブル期の91年(4685万円)に次ぎ過去3番目に高い水準。宮城野、太白、若林各区が3000万円台後半で続いた。
平均面積は76.03平方メートルで前年とほぼ同じ。物件の間取りは4LDKが8.8ポイント減の20.2%、3LDKが9.7ポイント増の71.4%だった。
各マンションとも売れ行きは好調といい、販売開始から1カ月以内の初月契約率は10.7ポイント増の86.6%。14年12月末時点の期末契約率は4.2ポイント増の96.5%だった。
今後の動向について吉野支社長は「15年は青葉区の供給戸数が500戸台に回復し、全体で1000~1200戸になるとみられる。価格はここ2、3年は緩やかに上昇し、その後は高止まりするのではないか」と予想する。