仙台圏・石巻 マンション供給回復、上半期前年95戸上回る

 仙台市など仙台圏と石巻市で1~6月に新規供給された分譲マンションは483戸だったことが、総合広告代理店のDGコミュニケーション創芸カンパニー仙台支社のまとめで分かった。東日本大震災の影響で大幅に減少した前年同期を95戸(24.5%)上回る。石巻市は1棟の40戸で、23年ぶりの新規供給となった。
 上半期が増加に転じたのは2008年以来4年ぶり。7月の発売も300戸を超えており、仙台支社は「被災者の需要もあり、販売は好調に推移している。12月までの1年間では、1134戸だった震災前の10年の水準に近づく」とみている。
 地域別は表の通り。塩釜、多賀城、岩沼の3市は供給がなかった。石巻市の1棟は建設中で来年3月に完成予定。仙台市のうち青葉、若林区は減少したが、「年間では前年を上回る見通し」(仙台支社)という。
 販売開始から1カ月以内の初月契約率は前年同月比16.7ポイント低下の54.9%、6月末時点の期末契約率は3.9ポイント低下のは86.3%。いずれも供給回復による需給バランスの落ち着きが低下につながったとみられる。平均価格は3146万6000円で前年から37万5000円アップした。
 仙台支社の吉野敦支社長代理は「上半期の物件の大半は資材不足などが深刻化する前に完成した。ただ、下半期以降の発売物件については、高止まりしている建設のコストの影響が価格に反映される可能性がある」と指摘する。
 11年の年間供給は1988年の調査開始以来最低の674戸だった。

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