仙台城下の成り立ち紹介 辻標88基の解説本 古田さん出版

仙台圏の土地住宅情報に詳しい住宅問題評論家の古田義弘さん(77)=仙台市=が、市内中心部の成り立ちを紹介する「仙台城下の町名由来と町割~辻標八十八箇所を訪ねて」を出版した。
 昔ながらの町名や通り名を記した88基の辻標(石柱)の由来と現在の周辺の様子を、1基ずつ文章と複数の写真、地図で紹介している。写真は2度、3度と足を運んで撮影し、地図も自分で描いた。
 辻標に記された通りで都市の開発に伴い途切れてしまった所は、消えた道筋を復元した。JR仙台駅東口にある辻標52「柳町通」は、駅西側の柳町大日堂前から榴岡まで通っていたが、鉄道の開通で分断。地図では点線を駅構内へと延ばした。
 辻標は、仙台市が市制施行88周年記念事業の一環として1977年から94年にかけて設置した。市教委は94年に辻標を紹介する文化財パンフレットを発売、中高年層を中心に大人気となった。
 古田さんは「仙台圏の発展を見てきた集大成として、あらためて中心部を取材した。歴史を学ぶ散策に役立ててほしい」と話す。
 本では辻標の紹介のほか、「杜の都」の呼び名や「丁(ちょう)」と「町(まち)」の使い分けなどについても解説している。1575円。連絡先は本の森022(712)4888。

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