東日本大震災で一部が崩落した国史跡「仙台城跡」(仙台市青葉区)の石垣の修復工事が21日、始まった。現地で起工式があり、関係者約20人が工事の安全を祈願した。
仙台城跡の石垣は、本丸西側の3カ所が高さ約5メートル、長さ約60メートルにわたって崩落。宮城県護国神社所有の私有地のため、費用面から復旧工事ができずにいた。崩落場所を含む山林がことし6月、国史跡に指定され、国の災害復旧事業が適用できるようになった。
本年度中に崩落した石垣を全て取り除き、来年度に積み上げ工事を始める。復旧費用は十数億円の見込みで、市地下鉄東西線が開通する2015年度中の工事完了を目指す。
崩落に伴い、市道仙台城跡線は、本丸詰門(つめのもん)跡から市道青葉山亀岡線との接続点までの約500メートルが全面通行止めになっている。
奥山恵美子市長は21日の定例記者会見で「市道仙台城跡線の通行止めが、観光の痛手となっている。一日も早い復旧が必要だ」と話した。
仙台城跡は、約103ヘクタールのうち約70ヘクタールが国史跡に指定されている。