東日本大震災で避難所の電力が十分に確保できなかった教訓を踏まえ、仙台市は2012~15年度、太陽光や蓄電池を組み合わせた発電設備を市内の小中学校や市民センターなど約200カ所に導入する。風力や電気自動車の蓄電池など多様な電源を追加できるよう、汎用性の高い「仙台モデル」の構築を目指す。
12年度は、13小学校を含む16施設に太陽光発電設備と蓄電池を整備。富沢市民センター(太白区)に電気自動車の蓄電池から避難所に電力を送る装置「V2H(ビークル・ツー・ホーム)」を、宮城総合支所(青葉区)にはV2Hと風力発電設備を併設する。
太陽光発電の出力は最大10キロワットで、1日の平均発電量は30キロワット時。停電時でも、防災無線やテレビなどの電力が賄える。蓄電池で悪天候時や夜間の電力確保に備える。
発電システムは平常時も利用でき、各施設の約1割の省エネに貢献する。200カ所で計198万キロワット時の年間発電量を見込み、二酸化炭素850トンの削減にもつながるという。
事業費は、再生可能エネルギーを防災拠点施設に導入するための国の基金を活用する。市は本年度分として4億2600万円を確保している。
市は9月までにシステムを設計、施工する事業者を公募で決める。奥山恵美子市長は定例記者会見で「先進的な発電システムを開発し、仙台モデルを構築していきたい」と話した。