仙台市で、家庭ごみに混入しているリサイクル可能な資源物の割合が東日本大震災以降、急増している。2013年度は47.1%と過去最悪を記録。現状打開のため、市は「緊急分別宣言」と銘打った啓発キャンペーンに乗り出した。町内会ごとの集積所診断や商業施設での市民向け出張相談会を通じ、分別意識の向上を図る。
市ごみ減量推進課によると、資源物の混入は05年度の46.2%をピークに、09年度には38.3%まで下がった。しかし、震災発生の10年度に43.8%と悪化に転じると、11年度は横ばい、12年度は44.0%と推移した。
家庭ごみ量も09年度は18万4812トンだったが、13年度は19万3059トンに増加。混入される資源物の量も増え、種類別では空き箱や新聞紙などの紙類が目立つ。同課の担当者は「震災後は、特に分別意識が薄れてしまった。ごみ減量につながる分別の大切さをあらためて知ってもらいたい」と話す。
集積所診断は、町内会の要請を受けて市環境局の職員が出向き、ごみの適正な分別や清掃状況などの項目を計4回点検する。最高五つの星で評価し、模範的な町内会に認定証を贈る。
初日の9日は、市職員2人が宮城野区宮城野1丁目の集積所を訪問。資源物混入の有無や、指定日以外のごみが出されていないかなどを目視で確認した。
キャンペーンは、14年度の資源物の混入割合38%以下を目指す。13年度に1日1人当たり495グラムだった家庭ごみ量も、490グラム以下に抑えた09年度を目標にする。
診断対象となる集積所を30日まで募集する。一つの町内会で3カ所まで応募でき、100カ所の診断を行う。相談会は順次、市内のみやぎ生協や藤崎にブースを設け、ごみ減量策などを助言する。連絡先は市ごみ減量推進課022(214)8230。