仙台市は5日、緊急事態宣言の延長を踏まえ、幹部職員による対策会議を開いた。市立図書館や市博物館などの市有施設を順次再開する一方、大規模イベントは主催者に中止や延期を要請する方針を確認した。
佐々木洋教育長は「社会教育施設は開く方向にかじを切る」と明言した。図書館は資料の貸し出しや返却から始める。市博物館は感染防止策を講じ、入場制限する場合があることを前提に観覧事業を再開する。
市民センターやコミュニティ・センターは、県が集会施設を順次再開の対象外としたため、歩調を合わせる。民間を含め、各施設の管理者には基本的な感染対策の徹底、利用者が集中する恐れがある場合の入場者の制限などを依頼する。
県の休業・時短営業の要請に応じた事業者に給付する「地域産業協力金」は、来週中に申請の受け付けを開始する。協力金を受け取らない減収事業者への「地域産業支援金」も同様で、事務センターと専用の電話窓口を開設し、対応する。
対策会議では、市医師会の永井幸夫会長が「市民が外出を控えた結果、市内の感染状況は非常に落ち着いている」と評価した一方、北海道では感染拡大の第2波が到来したとして「飲食店や映画館などの自粛を急に解いて大丈夫かという気がする」と懸念を示した。
郡和子市長は「休業要請は外れるが、施設側も市民もしっかり感染防止策を取ることが前提だ。以前の状況に戻るわけではないことを伝える必要がある。気が緩むことがないよう市民に周知したい」と応じた。