仙台市、待機児童3年連続ゼロ 「隠れ待機」は前年並みの540人

仙台市は7日、4月1日時点の保育施設の待機児童が3年連続でゼロになったと発表した。入所希望者2万2572人のうち、過去最多の2万2032人を受け入れた。希望する保育施設に入れないケースなどが該当する「隠れ待機児童」は前年並みの540人だった。

 待機児童が全国の市町村で最多の740人だった2008年以降の待機児童数と入所希望者数はグラフの通り。

 小学校就学前の子どもは4万3708人で前年より2036人減ったのに対し、入所希望者は2万2572人で107人増えた。未就学児に占める申込数の割合は51・6%で、初めて過半数を突破した。

 市は20年にまとめた推計で、入所希望者が23年にピークを迎えるとみていたが、共働き世帯の増加などを背景に保育ニーズは依然高い。

 認可保育所や認定こども園、小規模保育事業所といった保育施設は前年比7カ所増の428カ所。認可保育所2カ所が開所し、既存の幼稚園から認定こども園への移行も進み、定員は266人増の2万2713人に拡大した。

 市認定給付課は、待機児童ゼロにつながった取り組みとして①地域ごとの需要の増減に応じた定員調整②1歳児の受け入れ枠拡大③2次募集までに保育所に入れなかった保護者への働きかけ―などを挙げる。

 申込数から入所者数を差し引いた隠れ待機児童の内訳を見ると「保護者が育休中で復職の意向が確認できない」(200人)と「他に入所可能な施設があっても特定の施設だけを希望する」(198人)で全体の7割を超えた。欠員数は237施設、計1661人だった。

 郡和子市長は7日の定例記者会見で「待機児童ゼロを3年連続で達成でき、大変喜ばしい」と評価。隠れ待機児童については「課題と受け止め、一人でも多くの子どもが希望する施設に入所できるよう努める」と述べた。

タイトルとURLをコピーしました